クロスバイクをドロップハンドル化してみた – シフターはそのまま使う

 私は長いことクロスバイクでサイクリングをしている者なのですが、やっぱりロードバイクってカッコイイですよね。特に、ロードバイクの象徴であるドロップハンドルは憧れの的です。

 しかし、ロードバイクは高価なもので、簡単に手に入るものではありません。

 色々調べてみると、ドロップハンドルはペダルの力の入れやすさや空気抵抗などでフラットハンドルよりも有利だとか。とは言っても、私にとって一番重要なものは見栄えです。

 私的には、私のようなただサイクリングを楽しみたいという人は自転車の性能よりも見栄えを重視してもいいのではないかなと思っています。

 ということで、だいぶ前にクロスバイクをドロップハンドル化しましたのでそのときのことを書こうと思います。ちなみに、私が持っているクロスバイクは、GIANTのESCAPE RX3の2020年モデルです。

改造前のです。バーセンターバーをつけてました。

 余談ですがバーセンターバーというのはバーエンドバーをグリップの内側につけただけのものです。私が使用していたバーエンドバーはフォグリアのものでした。

 

 クロスバイクをドロップハンドルにするために必要な主な問題は、

①ブレーキの安全性の確保

②シフターをどうするか

③ステムとハンドルの太さが合うか

 の3つだと思います。

ブレーキ

 最も重要なのはブレーキです。何が何でも、ブレーキが効かなくなるドロップハンドル化はやってはいけません。

 ブレーキには大きな問題があります。

 クロスバイクの一般的なブレーキはVブレーキです。しかし、ロードバイクの一般的なブレーキはキャリパーブレーキ(最近はディスクブレーキが主流になりつつあるようですが)となっています。

画像:Wikimedia
Vブレーキ
画像:Wikipedia
キャリパーブレーキ

 それなりに知られていると思いますが、キャリパーブレーキのレバーでVブレーキを引くことはできません。厳密には引けるのですが、効きが悪いとのことなので安全性の問題でここでは引けないものとして扱いました。

 シマノのSTIなどはキャリパーブレーキ専用なので、Vブレーキとの併用はできません。もしそれを使うならブレーキをアームもブレーキシューも全てキャリパーブレーキに交換することになります。

 しかし、それでは財布に優しくありません…。別の方法を考えます。

 クロスバイクのブレーキレバーを流用するのはどうかと言うと、不可能です。まず、クロスバイクのブレーキレバー直径が22.2mmのハンドルなら取りつけられますが、ドロップハンドルの握る部分の直径は23.8mmです。これはクロスバイクのフラットハンドルの握る部分の直径が22.2mmだから起こる問題です。

 そうなると、Vブレーキ対応かつドロップハンドル用のブレーキレバーを使うしか方法がありません。

 そんなものがあるのかというと、実はあるんです。

 テクトロのRL520という製品です。この製品、テクトロの日本版のサイトには掲載されておらず、海外の公式サイトのほうに掲載されていました。こちら

 テクトロのブレーキはかなりの信頼度があると言っていいと思います。何しろ、ジャイアントやメリダなどのクロスバイクのパーツに採用されているのですから。

 ※RL520はシフター機能はありません。ブレーキレバーのみです。

 あとはブレーキのケーブルの交換が必要です。ロードバイク用のブレーキのケーブルはクロスバイク用のそれとは違うのです。違う箇所はブレーキレバーとケーブルを接続する「タイコ」という部分の形です。それ以外は変わらないので、ロードバイク用のブレーキケーブルでもVブレーキを使うことができます。

 RL520を取り付けるとこのようになります。

 あと、そこまで重要ではないですが1つ注意点があります。

 ↓

 Vブレーキはキャリパーブレーキよりも止まりやすいのですが、人によってはそのことに十分注意する必要性もあるのかな、と思います。普段からキャリパーブレーキ搭載のロードバイクに乗っている人の中であまっているクロスバイクをこのように改造するとなった場合、その人が慣れているブレーキはキャリパーブレーキになりますが、キャリパーブレーキの感覚でVブレーキを引くとタイヤがロックされてしまうことがあるかもしれません。要は、ブレーキの感覚の違いのことです。

シフター

 私がドロップハンドル化のために購入したブレーキはシフターが一体化したものではなく、単純なブレーキでした。これは費用削減のためにやったのは事実なんですが、もう一つ大きな理由があります。それが、私の持っているクロスバイクはフロントディレイラーがシマノのACERA(アセラ)、リアディレイラーが同じくシマノでALTUS(アルタス)というマウンテンバイク用のものになっていることです。

 ロードバイク用のシフターマウンテンバイク用のディレイラーを引くのは結構厄介です。リアだと8速、9足までは互換性があると言われていますが、フロントは全く互換性がないそうです。ということは、STIなどを導入する場合、フロントは全てパーツを変えなければいけないのでしょう…。あと、個人的にリアは互換性があると言われても、上手く動かなくなる可能性がありそうなので怖いです。

 ロードバイクのシフターとマウンテンバイクのディレイラーを混ぜるのは、それらの機器類にかなり詳しくないと無理そうです。私はよく分からないので、シフターをそのまま使うことにしました。

 しかし、さっき少し書きましたが、フラットハンドルの握る部分の直径が22.2mmなのに対し、ドロップハンドルは23.8mmです。ブレーキレバーの流用はもちろんですが、シフターの流用もそのままではできません。ハンドルの直径が違うのでドロップハンドルにシフターがそのまま入りません。

 そこで、私がとった解決策が直径22.2mmほどの棒をハンドルにくっつけるというものでした。

 その棒というのは、エクステンションマウントとか、アクセサリーホルダーとかの名前で売ってる棒です。正式名称は分かりません。

 これをドロップハンドルに取り付けて、この棒にシフターをくっつけます。この棒はほとんどの製品が直径20mm~22mmほどになっているはずです。取り付けられるハンドルの直径は33mmくらいまで対応しているのでドロップハンドルでも問題ありません。

 ↓取り付けるとこんな感じです

 これでシフターをそのままで使うことができるようになりました。そのまま使っているということは、ドロップハンドル化に合わせたディレイラーの細かい調整の手間が省けます。(そして財布に優しい)

 ブレーキとシフターの設置はこんな感じになります。↓

ステム

 クロスバイクをドロップハンドル化する上で重要になってくる点はブレーキやシフターはもちろんですが、ハンドルと自転車本体をつなぐ部分のステムも重要です。

 ドロップハンドル化においてステムで気にするべきものは2つあります。

 一つはステムの長さでもう一つはハンドルクランプ径です。

ステムの長さ

 ステムの長さは正直気にする必要がない人がいるかもしれません。気にする必要があるのはクロスバイクを改造する前の時点でハンドルまでの距離がちょっと長くてキツイと感じる人です。

 ドロップハンドルのよく握る場所はSTIなどのブラケット部分ですが、これはフラットハンドルよりも握る位置が数センチ遠くなります。そのため、改造前のフラットハンドルの状態でハンドルが遠いと感じる場合、ドロップハンドルにしてしまうとブラケットまで手が届かなくなってしまう可能性があります。

 このような場合はステムを変えたほうがいいです。

 自転車のサイズが少し小さい(ハンドルまで近い)と感じている場合は本当に気にしなくて大丈夫だと思います。実際、私は改造前自転車のサイズが少し小さかったのでステムをそのまま使っても大丈夫でした。

ハンドルクランプ径とハンドルの太さ

 ハンドルクランプ径というのはステムとハンドルをくっつける部分の、ステムが対応しているハンドルの太さのことです。

ハンドルクランプ径

 フラットハンドルでよくある太さは25.4mm31.8mmだと思います。ここで言う太さというのはステムにくっつける部分のことで、握る部分の太さのことではありません。

 ステムが対応する太さは、このフラットハンドルの太さに合わせて25.4mm対応のものと31.8mm対応のものの二つがあります。どちらの太さにも対応しているステムはありません

 注意点は簡単で、ステムが対応していない太さのドロップハンドルを誤って購入しないことです。

 ドロップハンドルの太さもフラットハンドルと同じように25.4mmと31.8mmの二つがあります。ステムのハンドルクランプ径に必ず合わせてください。

太さが31.8mmのドロップハンドルの例↓

太さが25.4mmのドロップハンドルの例↓

 私のクロスバイクはステムのハンドルクランプ径が31.8mmだったので31.8mmのものを買いました。

 

 

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